大腸菌による食中毒

病気を起こす大腸菌食中毒の症状

大腸菌はヒトや動物の腸管内の常在菌で、かつては病原性はないとされていた。しかし、研究の進むにつれ、その中には食中毒を引き起こすもの、すなわち病原大腸菌が2~5%含まれることが分かってきました。下痢の原因となる大腸菌は、その病原性の特徴から、いわゆる狭義の腸管病原性大腸菌、腸管侵入性大腸菌、腸管出血性大腸菌、毒素原性大腸菌、腸管凝集接着性大腸菌などに分類されています。主にこれらに汚染された食品を摂取することで、食中毒を発症します。他の食中毒菌について詳しい情報を見ることができます。詳しくは、「食中毒の種類と特徴」を参照してください。

特徴

一部の大腸菌は、 ヒトや動物の腸管に感染して下痢などの原因となります。これらの大腸菌は腸管内常在菌と区別して、特に病原大腸菌または腸炎起因大腸菌と呼ばれています。病原性大腸菌は種類も多く、健康な人でも菌を持っていることがあります)。全ての病原性大腸菌が危険というわけではありませんが、O-157のようなベロ毒素を出すタイプは重症な合併症を併発することがあり、要注意です。O-157の病原性大腸菌で要注意とされているものには、O-26、O-111、O-74、O-91、O-103、O-121、O-145、O-161、O-165、などがあります。その他のタイプでも稀にベロ毒素を出すことがありますので、病原性大腸菌には油断禁物です。

狭義の病原大腸菌または病原血清型大腸菌

狭義の病原大腸菌または病原血清型大腸菌は今まで病原大腸菌といわれてきた菌で、特にこの菌は乳幼児下痢症の原因菌として重視されてきました。乳幼児の場合には少量の菌で感染が起こり、産院などで大流行を起こし多数の犠牲者を出したことがあります。一方、成人に対しては、他の感染型食中毒同様、飲食物中でおびただしく増殖した生菌を摂取することにより、急性胃腸炎型の食中毒を起こします。この食中毒の潜伏期は10~30時間で、症状はサルモネラ食中毒に似るが、一般にサルモネラよりも軽いです。感染源は患者や保菌者の大便または家畜の排泄物などであって、まず食品が本菌によって汚染され、サルモネラや腸炎ビブリオの場合と同様、この菌がおびただしく増殖した食品を食べて発症します。

腸管侵襲性または組織侵入性大腸菌

腸管侵襲性または組織侵入性大腸菌の感染により経口伝染病の赤痢に似た症状を起こします。すなわち、ヒトが感染を受けると急性大腸炎を起こし、発熱、腹痛、しぶり腹(裏急後重)などの症状が現れ、大便は粘液だけでなく膿や血液が混じます。EIECは分類上は大腸菌であるが、その生化学的性状は赤痢菌に似ていて、下痢の発生機序も赤痢菌の場合と同様であることが明らかにされた。この菌は、赤痢菌と同様、本来ヒトを宿主とする病原菌で、赤痢菌同様ヒトからヒトへ伝染性がある、従って、この菌の病気は本来、赤痢と言うべきであるが、現在のところ行政的には食中毒として処理されている(伝染病予防法により法定伝染病等の指定を受けていないため)。

腸管毒素原性大腸菌

腸管毒素原性大腸菌はヒトの腸管内で増殖してエンテロトキシン(enterotoxin、腸管毒)という毒素を産生し、下痢を主徴とする急性胃腸炎を引き起こします。毒素には、60℃、10分間の加熱で失活する易熱性毒素(LT)および100℃、30分間の加熱でも安定な耐熱性毒素(ST)の2成分がある。LTはコレラ菌の下痢原毒素であるコレラエンテロトキシン(CT)と物理化学的、免疫学的性状が似ているだけでなく、下痢を起こす機序もCTと同じであるといわれています。ETECには、LT、STのいずれか一方のみを作るものと、両者を産生するものがあります。この菌による食中毒は水様便の下痢を起こすが、発熱はほとんどなく、症状は一般に軽い。熱帯や亜熱帯に旅行する人がしばしばかかる“旅行者下痢”、“traveller's diarrhea”の多くは本菌によると見られています。汚染源や感染経路は、狭義の病原大腸菌の場合と同様であるが、特に熱帯や亜熱帯に旅行する人は、決して生水や生の魚介類をとらないよう注意することが大切であります。

腸管出血性大腸菌またはベロ毒素産生大腸菌

腸管出血性大腸菌またはベロ毒素産生大腸菌は、1982年にアメリカで発生したハンバーガーを原因食とする食中毒の原因菌として分離され、注目を集めた。本菌は血便と腹痛を主徴とする出血性大腸炎を起こすので、出血性大腸菌と名付けられた。この原因菌のO157:H7は、ある種の細胞毒を産生する。このVero毒素は、志賀赤痢菌の産生する志賀毒素に類似するため志賀毒素様毒素とも呼ばれている。

発生時期

病原性大腸菌o-157による食中毒は、年間を通じて発生しますが、特に夏に多発する傾向があります。高温多湿の気候が、食中毒の原因菌の繁殖に適しているためと考えられます。冬の寒い時期にも、暖房などで気温が高く保たれている場合など、条件が揃えば菌の繁殖が促されます。

症状

腸管組織侵入性大腸菌

腸管組織侵入性大腸菌の症状は、乳幼児に感染することはまれです。また、その発生は散発的なことがほとんどですが、過去には大きな集団例も発生しています。潜伏期間は~5日間(多くは3日以内で、患者は、しぶり腹)を起したり、血液、粘液、あるいは膿をまじえた下痢を起こします。その他に、発熱、はき気、おう吐、けいれんなどの症状が現れることが多く、寒気、頭痛を伴うこともあります。これらの症状は、長引く場合もありますが多くは2~3日で治まります。

腸管病原性大腸菌

腸管病原性大腸菌の症状は、水様性の下痢を伴うことが多く、ひどい場合には、大便がコレラ患者のように ‘米のとぎ汁様’になり脱水症状を起こします。腹痛、おう吐を伴うことが多く、発熱はあまり起こりません。潜伏期間は、多くの場合~72時間ほどです。回復期間は、1~3日で回復する場合から10日以上と長引く場合もあります。

腸管毒素原性大腸菌

腸管毒素原性大腸菌の症状は、腹痛と水様性の下痢で発症し、翌日に血便を呈することが多いようです。おう吐は少なく、発熱は37℃台と軽度です。潜伏期間は、一般的に3~5日ですが感染後10日以降発症した例もあります。平均8日で回復するとされていますが、一部の患者ではHUS14)といわれる腎臓などの障害を引き起こし重症化・遷延して死亡することもあります。特に小児や高齢者はHUSを発症する割合が比較的高く、重症化しやすいようです。

他の食中毒の可能性もある場合は、症状から食中毒を調べることができます。詳しくは、「食中毒の症状と種類」を参照してください。

検査

病原性大腸菌の感染を疑われた場合には、主症状である下痢や嘔吐などの症状の確認さらに検便検査を行い診断します。検便検査で大腸菌が検出された場合には、病原性大腸菌の種類の特定を行います。病原性大腸菌で最も知られているのがO157大腸菌ですが、O11大腸菌、O26大腸菌などO157大腸菌以外もあり特定を行います。

治療

食中毒を引き起こす原因菌によって治療方法が変わる可能性があります。病原性大腸菌の感染が疑われる場合には、医師による診察を受ける様にしましょう。軽度な症状の場合は、自宅で安静することで回復します。詳しくは、「食中毒を病院に行かずに治したい」で確認してください。

処方薬

上記内容を参照してください。

原因

病原性大腸菌食中毒の原因は、生肉の加熱不足が一番の原因だと思われます。 詳しくは、また、食中毒の原因と種類(一覧)で確認してください。

予防

一般的な食中毒予防同様です。十分な加熱をしましょう。

病気を起こす大腸菌 見出し

食中毒の種類と症状 インデックス

食中毒を引き起こす主な細菌やウイルス

  秋は毒キノコのシーズン誤食に注意

食中毒 よくある質問の説明

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