食中毒の症状に合わせた対応が必要
食中毒の定義は、私たちの体に悪影響を及ぼす、細菌、ウイルス、化学物質を飲食物と一緒も摂取すると一定期間を経て下痢や嘔吐があらわれます。症状があらわれるまでの期間を潜伏期間といいますが、細菌やウイルスなど原因物資の種類によって異なります。その為、食中毒の原因となった飲食物を推測し、潜伏時間と症状から原因物質を推測し、対処など対処していきます。多くの食中毒の場合、下痢や嘔吐などの症状は、体内に侵入した原因物質を排除しようとする反射(作用)であり、体外へ原因物質が排出されることで徐々に症状も回復します。その為、食中毒による下痢や嘔吐の対処方法は、安静しながら水分補給する事で回復する事が多いです。しかし、食中毒の原因物質によっては、呼吸困難や意識障害などの神経障害があらわれたりしますので、この様な症状がある場合には、自身で対処せず医師による対処が必要です。下痢や嘔吐などから食中毒の原因物質を特定するには以下の表を参考にしてください。
発熱の症状がある食中毒の原因と対処方法
食中毒の原因物質 | 食中毒の対処方法 | 食中毒の原因 |
サルモネラ | サルモネラ菌による食中毒は、吐き気と嘔吐の症状があり、数時間後に腹痛と下痢が現れます。また、38℃以上の高熱が見られます。これらの症状は、個人差があり、発熱の有無、下痢も数回の軟便ですむ場合もあります。赤痢やコレラみたいな症状もあります。症状が軽度の場合には、水分補給と安静にする事で対処する事も可能です。 | 肉汁や卵液が野菜などの食材に付着し常温放置などでサルモネラ菌が増殖。肉類の加熱不十分や生食による原因が多い。 |
O157 (腸管出血性大腸菌) |
腸管出血性大腸菌o157による食中毒は、激烈な腹痛で始まり水溶性下痢の症状が現れます。その後、血便(血性下痢)が見られるのが最大の特徴です。特に抵抗力が弱い高齢者や乳幼児がo157食中毒になると腸炎症状以外に溶血貧血、血小板減少、腎不全を主症状とする溶血性尿 毒症症候群(HUS)を起こします。毎年、10数件発生しており、お亡くなりになっている方もおります。血便の症状が確認された場合には、出来るだけ早く病院に行き医師による処置を受けるよう様にしましょう。 | 厚生労働省はレバ刺など肉類の生食を禁止したことでO157の発生件数は大幅に抑制できたが、焼肉店が原因の食中毒は多い。肉類の加熱不十分が主な原因。また、野菜(特に胡瓜)の洗浄・消毒不足が原因でも発生している。 |
カンピロバクター | カンピロバクターによる食中毒の症状は、発熱、下痢、腹痛、倦怠感、頭痛、嘔吐などが主で個人により差があります。軽度の場合には、水分補給と安静にする事で対処する事も可能です。 | 鶏肉の生食もしくは過熱不十分が原因。その為、鶏肉の生食を禁止するか厚生労働省では議論となっている。 |
エルニシア属菌 | エルニシア菌による食中毒は、主に発熱の症状があり 腹痛、下痢さらには嘔吐などの症状もある場合があります。希に盲腸炎と間違われることがあります。軽い症状の場合には、水分補給と安静にする事で対処する事も可能です。 | 国内での発生件数は少ない原因物質。生肉(特に豚肉)、生乳、魚介類で発生している。 |
ノロウイルス | ノロウイルスによる食中毒は、感染すると1日から2日程度で、微熱や悪心の症状が現れ、嘔吐、下痢、腹痛などの主な症状がある。子供は嘔吐、成人は下痢の症状が現れることが多い。どちらの症状も非常に激しく1日に何度も繰り返し現れる。ノロウイルスに感染しも抗ウイルス薬など特効薬はなく、対症療法が基本である。重症化することは少なく、脱水症状にならない様に適度な水分補給しながら安静にしていることで数日から1週間程度で自然に回復する。症状がなかなか治らない、辛い場合には、我慢せず病院に行き医師の処置を受ける様にしてください。抵抗力の弱い高齢者や乳幼児は脱水になりやすく早めに病院で点滴などの処置をされることをお薦めします。 | 以前は、二枚貝の生食が原因だといわれていたが、二枚貝以外の食材が原因で発生している。主な感染源は二次感染であり、次亜塩素酸ナトリウムによる消毒、十分な加熱調理、トイレ使用後の手洗いの徹底が重要。 |
発熱の症状がない食中毒の原因物質と対処方法
食中毒の原因物質 | 食中毒の対処方法 | 食中毒の原因 |
腸炎ビブリオ | 腸炎ビブリオによる食中毒は、激しい腹痛、下痢、発熱、吐き気及び嘔吐が主な症状です。特に上腹部痛(胃けいれん様の痛み)が特徴ですが発病後5~6時間で軽快します。症状が軽度の場合には、水分補給と安静にする事で対処する事も可能です。 | 海水で育つ魚介類が汚染されていることが多く、刺身など生食する食材の温度管理が不徹底により食中毒が発生する。食材の温度管理の徹底、真水には弱いので水洗いをすることで食中毒を予防できる。 |
黄色ブドウ球菌 | 黄色ブドウ球菌による食中毒は、吐き気、嘔吐の症状が必ずあり 、体質や体調によっても異なりますが下痢、腹痛もあります。症状が軽度の場合には、水分補給と安静にする事で対処する事も可能です。 | 切り傷などの多く存在している化膿菌の1つです。手指を怪我したときは生食用の食材には触れず、しっかり加熱調理することで食中毒を予防することができる。 |
ウエルシュ菌 | ウエルシュ菌による食中毒は、下痢と腹痛が主な症状ですが、重症化する事はすくない。症状が軽度の場合には、水分補給と安静にする事で対処する事も可能です。 | 特に集団給食など大量調理する施設で多く発生する。酸素を嫌う菌で攪拌しながら十分に過熱する事で予防することができる。 |
セレウス | セレウス菌による食中毒は、吐き気、嘔吐、下痢が主な症状であり重症化する事はすくない。軽度の場合には、水分補給と安静にする事で対処する事も可能です。 | 焼きめしやスパゲッティ、焼きそばなどでんぷん質が多い食材が原因で発生している。 |
食中毒の症状は原因物質を特定し症状に合わせた対処が必要
食中毒による下痢や嘔吐の原因は、増殖したウイルスや菌や菌が産生する毒素により胃腸の機能を低下することで発生します。原因物質によって症状の内容や期間は異なりますが、多くの症状は、自宅で安静にし脱水症状にならない様に対処すれば病院に行かず自然に回復することが多いです。下痢や嘔吐の症状は、原因物質によるもので下痢や嘔吐により対外へ排出されることで自然に回復します。但し、毒素を産生する食中毒や自然毒なども含む化学物質による症状は、毒性が強く小腸や大腸から体内に入り各臓器の機能低下することもありますので注意が必要です。その為、軽度の場合には、病院に行かず病院に行かず自身で対処する事で完治させる事も可能ですが、意識障害、呼吸困難、血便などの症状がある場合には出来るだけ早く病院へ行き医師の処置を受ける様にしましょう。軽度の場合は、自身で対処する事で回復します。詳しくは、「食中毒を病院に行かずに治したい」で確認してください。
腸管出血性大腸菌による食中毒は早く病院へ
病原性大腸菌 o-157の感染が疑われる場合には、自身で対処でず早めに病院へ行き医師の処置を受ける様にしましょう。o157は、細菌が産生するベロ毒素が小腸の粘膜細胞を死滅し血便の症状が現れます。また、ベロ毒素が血管に入ると腎臓などの機能が低下し、腎不全などの症状も現れます。そして、最も恐ろしいのはHUS(溶血性尿素症症候群)を発祥することです。この症状は、非常に重症化しやすく毎年数名の方がお亡くなりになっています。o-157の主症状は激しい腹痛と血便です。特に抵抗力が弱い子供や高齢者が感染すると重症化しやすく注意が必要です。早く症状に気づき対処することでHUSの発生を抑えることができますので、疑わしい症状があるときには早めに病院へ行き処置する様にしましょう。
下痢や嘔吐による脱水症状の対処方法
食中毒による下痢や嘔吐の症状は、胃や腸の内容物と一緒に大量の水分や電解質も排出されます。私たちの体は約6割が水分であり、水分は体温やpHの調整、体内代謝を円滑に進めるための溶媒としても使われています。体内の水分は夏場の多汗やお風呂上りでも変化し経度な脱水にはなりますが、水分補給することで回復します。しかし、ノロウイルスみたいに激しい下痢や嘔吐の症状により体内の水分や電解質が著しく失うと体内の調節がうまくできず様々な器官に不具合が生じます。軽度の状態では自身で水分補給などすることで対処する事が可能です。しかし、重度になると意識障害、呼吸困難などがあらわれ死亡することもありますしかし、下痢や嘔吐があらわれはじめた時点では私たちの体は水分を受け付けしません。だいたい症状が出て6時間以上経過したら少量の水分を口に含ませ飲んでください。下痢や嘔吐がなければ徐々に摂取する量を増やしてください。家庭で脱水を対処する際には、水道水よりスポーツ飲料をおすすめします。
自身で対処する時の注意点
下痢や嘔吐の症状があった時、食中毒や食あたりが原因の事が多いでしょう。多くの方が病院へ行かず自分で処置して回復させたいと思います。しかし、原因物質によっては、下痢や嘔吐の症状が激しく少しでも緩和させるために市販されている下痢止め薬や吐き気止めの使用を検討する方も少なくありません。しかし、食中毒の症状は、原因物質を排除するための反射であり、薬を服用することで体外の排出を遅らせることになり症状が長引くことがあります。自己判断で市販薬を服用するのは非常に危険ですので絶対におやめください。当然ですが今までにない症状があらわれたりした場合には、躊躇せず病院に行き医師の診察をうけてください。特に激しい下痢、嘔吐、腹痛などは非常に辛いです。過去にも経験していれば、ある程度の状況を把握できますが、今までにない症状ですと非常に不安になります。手遅れにならないように早めに病院に行きましょう。
発症するまでの発症期間で原因物質を推測
食中毒の原因を症状や潜伏期間から推測できる場合には、原因物質によって病院での処置が必要か判断できるかと思います。但し、この方法は、あくまでも推測であり確実なものではなりません。少しでも原因物質の推測に不安があったり、症状が激しく辛い場合には、躊躇せず病院へ行き医師の処置をうける様にしてください。特に症状が悪化する原因物質である、腸管出血性大腸菌o-157やボツリヌス菌、毒キノコやフグなどの自然毒食中毒、化学物質による中毒は注意が必要です。どれも非常に毒性が強く、下痢や嘔吐以外の症状として神経症状、呼吸困難、血便などがありますので、この様に症状があった場合には早めに病院へ行きましょう。早く病院で処置すれば、重症化せず回復することが多いです。ここでは、医療機関へ受診するタイミングについて簡単にまとめてみました。
- 乳幼児やご高齢の方、病中・病後で体力の無い方。
- 自然毒(毒キノコやフグ毒や化学物質の誤飲誤食)をした方。
- o-157病原性大腸菌の疑いがある方。
- 血便がみられる場合。
- 一日に10回以上吐き気や下痢が続く場合。
- 意識がもうろうとしたり、呼吸がみだれたりする場合。
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