パラチフスの特徴
狭義には、腸チフスとパラチフスの二種(=チフス性疾患)を指すことが多く、あるいは腸チフスのみを指すこともある。医学上は、腸チフスとパラチフスは近縁な病原体による類似した疾患であるが、発疹チフスはこれら二つとはまったく異なる疾患であるため、明確に区別する必要がある。このため、これらを総称することは最早まれであり、既に単なる「チフス」という名称は、医学分野では正式な病名としては使用されていない。古い医学文献における表記や、医学的な正確性が要求されないとき(一般社会における用例など)の便宜的な表記などで、三種の総称として広義に「チフス」の名称が用いられることがある。腸チフスやパラチフスの診断にはビダール反応を使う。アンネ・フランクがこれによって命を落としたことで知られている。
発生時期
腸チフス食中毒は、国内で感染する可能性は低い食中毒菌です。東南アジアなどに渡航後、日本で発症する場合があります。細菌性食中毒菌のため気温が高い夏場に発生しやすいです。
食中毒の症状
パラチフスの主な症状は発熱で、38℃以上の高熱が続きます。解熱薬をのめば37℃くらいに下がることもありますが、きちんとした治療を受けない限り延々と続き、抗菌薬でいったん解熱してもまた出てきます。頭痛、関節痛、全身のだるさ、食欲不振などの症状を伴います。下痢は半分くらいの人にみられます。腸のリンパ節に潰瘍ができるため、腸出血や腸穿孔の危険があります。詳しくは、「食中毒の症状と種類」を参照してください。
検査
チフス食中毒は国内で感染するリスクが低い為、過去1カ月以内の発展途上国などへの海外渡航歴を確認します。確定診断は、細菌学的検査によるチフス菌・パラチフスA菌が便や血液から検出されるか確認します。有熱期に血液培養を行えば、検出率は高いです。保菌者、無症状者では糞便培養、胆汁培養を行います。
治療方法
パラチフス菌食中毒は、治療は食事と安静と抗菌薬で行います。症状がある場合は、原則として入院治療となります。小腸に潰瘍ができるので、下痢はなくても消化のよい食事をとり、安静を守ることが大切です。熱がなくなれば退院することは可能ですが、解熱後1週間くらいは腸出血の危険があるので、安静が必要です。腸チフス、パラチフスに効果のある抗菌薬は限られています。クロラムフェニコール、アンピシリンまたはアモキシシリン、ST合剤が特効薬でしたが、現在は耐性菌(たいせいきん)や副作用などのために、ニューキノロン系薬が使われています。しかし、最近はそれに対しても耐性菌が出てきました。服薬期間は2週間が原則です。きちんと治療をしても菌が残ることがあるので、治療が終わってから確認の検査を行います。きちんと除菌をしておかないと、生涯にわたって保菌者になる可能性があります。なお、菌が残っていると食品を取り扱う仕事はできません。
感染原因
パラチフス菌の感染は患者さんの便に汚染された食べ物や手指を介して広がります。患者さん自身が手洗いを励行すれば他人への感染を予防できます。排泄の介助を必要とする子どもや高齢者が患者の場合には、介助者が手洗いを励行します。詳しくは、また、食中毒の原因と種類(一覧)で確認してください。
感染予防
パラチフス菌の感染は患者さんの便に汚染された食べ物や手指を介して広がります。患者さん自身が手洗いを励行すれば他人への感染を予防できます。排泄の介助を必要とする子どもや高齢者が患者の場合には、介助者が手洗いを励行します。ワクチンは国内で認可されたものはありませんが、トラベルクリニックなどでは接種できるところがあります。流行地にでかける場合は相談してください。
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