食中毒による血便の症状が現れたらスグに病院へ行きましょう
食中毒を疑う症状が現れ病院へ行くべきか判断する時、特に注意すべき症状の1つに血便の症状があります。食中毒で最も注意しなければいけないのが病原性大腸菌いわゆる「腸管出血性大腸菌(o-157)」に感染してないか確認する必要があります。腸管出血性大腸菌(o-157)は、体内で菌が増殖しながらベロ毒素を産生し、この毒素により腸粘膜が損傷することで出血します。さらにベロ毒素が血管内に入ると腎機能が低下するHUS(溶血性尿毒症症候群)を引き起こす事があります。この症状により平成28年には10名の方が亡くなっております。その為、血便などの腸管出血性大腸菌(o-157)による食中毒を疑う症状があった場合には、できるだけ早く病院に行き治療する必要があります。他の食中毒でも激しい下痢の症状を繰り返すことで肛門周辺の組織が損傷し出血することがありますので、トイレットペーパーに血液が付着した場合には、肛門周辺からの出血(いわゆる切れ痔)か確認する様にしましょう。もし、わからない場合には、念のため病院へ行き医師に相談してみてください。特にHUS(溶血性尿毒症症候群)は、抵抗力の弱い子供や高齢者がなる事が多いです。その為、子供や高齢者に血便を確認した場合には、念のため病院へ連れて行く事をおすすめします。
脱水の症状も放置し重症化すると危険 早めに病院で治療を
幻覚など精神症状、呼吸困難などの症状も病院で治療を受けるサイン
ノロウイルス食中毒は対症療法が基本で治療薬などは無い
食中毒の中でも激しい嘔吐や下痢の症状がある「ノロウイルス」ですが、医学が進歩した現代でも治療する薬が開発されておりません。その為、ノロウイルスの感染を疑う場合には、病院へ行っても主に対症療法が中心となり抗ウイルス薬などの特効薬などは処方されません。体内で増殖したノロウイルスが、下痢や嘔吐により吐き出すことで徐々に症状が治まります。その為、できるだけ我慢せず嘔吐や下痢を繰り返すことが回復の近道だと言われています。しかし、非常に激しい下痢や嘔吐により脱水などの疑いがある場合には、病院で輸液(点滴)などの対症療法の処置を行なってくれます。特に体力がある成人は、病院に行かず自宅で安静をお薦めしますが、高齢者や乳幼児がノロウイルスに感染した場合には、病院で医師に相談してみてください。
病院に行かず市販薬を服用する際には十分注意が必要
病院に行かず食中毒の症状を少しでも早く回復したい方は、市販されている「吐き気止め」や「下痢止め薬」の服用を検討するかと思います。しかし、食中毒による下痢や嘔吐の症状を緩和させるため、病院に行かず市販薬を服用することは、症状を長期化させ悪化する危険性もありますので絶対にお止めください。もし、薬の服用をしたいならば、必ず病院で医師が処方した薬を飲むようにしましょう。食中毒は、胃や小腸で細菌やウイルスが増殖し機能低下することで下痢や嘔吐の症状があらわれることが多いです。これは、体内に増殖した細菌やウイルスを早く対外に出そうとする反射であり、薬でその動きを止めることは細菌やウイルスを胃や小腸から排出が遅れ症状も長く続くかと思います。食中毒菌の中には、毒素を産生するものがあり食中毒菌が長く排出されないことで症状が悪化する場合があります。病院で処方された薬を服用する様にしましょう。
食中毒による症状が重たい時は躊躇せず病院へ行きましょう
- 血便の症状があらわれ、病原性大腸菌の感染が疑われる場合。
- 呼吸困難、意識障害などの症状がある。
- 乳幼児や高齢者など体力が弱い方。
- 今までに経験したことがない下痢や嘔吐の症状で辛い方。
- 毒キノコやフグなど誤食してしてしまった方。
- 精神的に不安な方。
次の症状がある場合には、非常に重たい症状のため躊躇しないで病院に行き医師の診察を受ける様にしましょう。毒素産生型の細菌による食中毒や自然毒を含む化学物質の中毒症状では、激しい嘔吐や意識障害などが早いタイミングからあらわれることが多いです。特に乳幼児が腸管出血性大腸菌o157など病原性大腸菌による食中毒になると腎不全など重症化することもあり注意が必要です。(詳しくは「病原性大腸菌」で確認できます。)また、乳幼児や高齢者は脱水症状になりやすく、こまめに水分補給をしましょう。上手に水分補給ができない方は、病院で輸液(点滴)の処置をしてもらえます。
病院に行かなくてもできる下痢や嘔吐による脱水症状対策
食中毒などにより下痢や嘔吐の症状が長く続くと体内の水分や電解質(ミネラル)が欠乏します。私たちの体の約6割は水分で出来ており、汗などをかいて体温調整する以外に体内のpHを調整したり、代謝を円滑にできるよう溶媒としての働きもあります。水分や電解質が欠乏することで体温調整や体内代謝ができず体調を悪化させることがあります。脱水の症状が長期間続くと死亡するケースもありますので早めに病院で治療する必要があります。下痢や嘔吐の症状があらわれた時点では、水分を一切受け付けない状態になっております。そのため、症状があらわれて5~6時間は、水分を与えず下痢や嘔吐を繰り返してください。子供ですとグッタリした様子に見えるかもしれませんが繰り返しの嘔吐や下痢の症状で疲れているだけですので安心してください。時間が経過すると食中毒の症状も落ち着き始めてくるかとおもいます。まず、少量のスポーツ飲料を口に含ませゆっくり飲ませてあげてください。ここで一気に大量の水分を飲むと胃腸が刺激され下痢や嘔吐の症状があらわれやすくなります。また、飲料は冷たくせず常温もしくは少し温かい状態で飲ませる様にしましょう。少し飲ませて様子を見て徐々に与える量を増やしていきましょう。もし、水分を欲しがるようでしたら与える量を増やしても大丈夫かと思います。軽い脱水の場合は、病院へ行かなくても自宅でしっかり水分補給すれば自然に回復します。
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