食中毒の予防は「食中毒予防の3原則」を徹底がポイント

食中毒予防の三原則(つけない・ふやさない・やっつける) 「食中毒予防の3原則」を詳しく解説

食中毒予防のポイントを管理栄養士が詳しく説明しています。食中毒とは、人体に悪影響がある細菌やウイルスが体内に侵入し下痢、嘔吐、腹痛などの症状を引き起こすものです。食中毒の定義は、食品衛生法第58条になされており『食品,添加物,器具若しくは容器包装に起因して中毒した患者若しくはその疑いのある者を食中毒患者等と記載しております。このような食中毒を診断した医師は直ちに最寄りの保健所長に届け出なければならない』と定義されています、その為、下痢や嘔吐などの症状があれば必ず食中毒となる訳ではなく、原因が食品、添加物、器具、叉は容器包装に含まれた叉は付着した微生物、化学物質毒キノコなどの自然毒等を摂取することによって起きたものに限定されます。食中毒を予防するポイントは、原因物質を体内に取り入れないことで確実に防ぐことができます。食中毒を起こす原因物質には、細菌、ウイルス、化学物質、自然毒、寄生虫がありますが、食中毒の発生状況をまとめた統計情報を見ると細菌やウイルスによる食中毒が非常に多いです。また、食中毒が発生する時期は、原因物質によって異なりますが、細菌が原因なものは気温や湿度が高い春から秋、ウイルスが原因なものは冬場、自然毒は山菜が取れる春とキノコ狩りの秋から冬に集中します。しかし、寄生虫や自然毒による発生は、季節的な関係はあまり無いです。食中毒の種類によって発生する時期が異なる為、季節に合わせた予防をしっかりすることが重要です。食中毒を予防するには、原因物質を体内に取り込まないことですが、その為には、原因物質である細菌やウイルスを「つけない」、「ふやさない」、「ころす」が予防の3原則です。ここでは食中毒予防の3原則を中心に予防のポイントについて説明したいと思います。

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食中毒の予防の原則は3つ「清潔」「迅速」「加熱」

食中毒予防の3原則

食中毒予防する重要なキーワードは、「つけない」、「ふやさない」、「ころす」です。これを食中毒予防の3原則といいますが、食中毒の原因となる細菌やウイルスなど原因物質を体内に取り入れない具体的な予防策のキーワードです。まず、最初の予防のポイントは、細菌やウイルスなどの原因物質を「つけない」ことです。下痢や嘔吐を引き起こす細菌やウイルスは、食材を仕入(購入)をした時点で既に肉や魚を既に細菌やウイルスに汚染されていることがあります。また、野菜など生食する食材に汚染された食材の細菌やウイルスが付着しないように注意することが予防で大切です。2番目の予防のポイントは、細菌やウイルスを「ふやさない」です。細菌は、温度、湿度、栄養の条件が揃うと増殖をします。原因物質を少量摂取しても発症しないことが多いですが、大量に摂取することで下痢や嘔吐の症状が現われます。その為、原因物質を増やさない様に特に温度管理を徹底することが食中毒を予防の観点で大切です。最後の予防ポイントは、細菌やウイルスを「ころす」です。細菌、ウイルス、寄生虫などの微生物の多くは、熱に弱く十分に加熱することで死滅(消毒)することで予防が期待ができます。加熱調理をする際には、中心部分までシッカリ加熱をすることが食中毒の予防のポイントです。しかし、全ての細菌やウイルスが加熱により死滅する訳ではなく、芽胞など耐熱性のある細菌もありますので種類にあわせた食中毒予防が必要です。

食中毒予防の 原則1「つけない」

食中毒予防の3原則 その1「つけない」

食品を仕入(購入)した時点で既に細菌、ウイルス、寄生虫に汚染されている食品も多いです。特に肉、魚、卵など動物性食品は、食中毒の原因となる細菌(カンピロバクターサルモネラ菌)やウイルス(ノロウイルス)に汚染されていることが多く、肉汁や卵液が他の食品に付着しないように注意しましょう。特に野菜など生食する食材は、肉汁などが付着することで食材が汚染され、常温放置することで気づかない間に菌が増殖します。加熱調理をせず提供された料理を食べる事で下痢や嘔吐の症状を引き起こします。大量調理施設では、食中毒の予防する為に生食する次亜塩素酸ナトリウムで消毒します。野菜は、以前は清潔で安全な食材と言われていましたが、最近は様々な細菌やウイルスに汚染していることも多く、しっかり食中毒予防することが重要です。最近では、細菌やウイルスに感染した方が調理することで食品が汚染され食中毒の原因になるケース(ノロウイルスなど二次感染に注意)も増えています。以前に比べて細菌やウイルスの感染力が強く病原性大腸菌o-157ノロウイルスなど少量でも食品を汚染した飲食することで食中毒を引き起こす事例が増えています。その為、調理従事者の健康管理の徹底で食中毒の発生を予防することが期待できます。

  • まな板や包丁を肉と野菜で使い分ける
  • 使用後は、しっかり洗浄をして乾燥させる
  • 冷蔵庫では下に汚染されやすい食品、上に清潔な食品を保管する
  • フキンを使用後は、塩素系漂白剤で消毒する
  • 先に野菜など加熱しないで食べる食材を調理する
  • 加熱しないで提供する料理を先につくる
  • 肉汁などが野菜に付着しないように注意する
  • 手や指先を清潔な状態にする
  • 調理する人の健康管理

食中毒予防 原則2「ふやさない」

食中毒予防の3原則 その2「ふやさない」

食中毒の原因となる細菌やウイルスの感染によって下痢や嘔吐の症状を引き起こすには、ある程度の菌やウイルスの量が必要になります。例えば、ノロウイルスは非常に感染力が強く100個程度でも体内に侵入すると激しい下痢や症状を引き起こします。食中毒を引き起こす細菌の増殖を抑制することは非常に大きな予防の効果が期待できます。細菌は、温度、湿度、栄養の有無など3つの条件が揃わなければ増殖することができません。その為、細菌を増やさない対策とし、温度を管理することが予防に有効です。特に細菌が増殖しやすい夏場は、調理や提供しない食材は冷蔵庫に保管します。食材を常温に放置させるのは、出来るだけ避ける様にしましょう。冷凍保存すると食品は、腐敗せず長期保管に可能になることから細菌やウイルスが死滅し予防に有効だと思われがちですが違います。冷凍の状態では、細菌が死滅したのではなく、休眠した状態です。そして、解凍することで食品の組織は破壊され、冷凍状態から目覚めた細菌やウイルスが食品の内部まで侵入しやすくなり劣化するスピードが速くなりますので、再凍結はせず、解凍後は早めに調理しましょう。しっかり加熱をして、冷却は速やかに、使用しない時は冷蔵庫で保管することが食中毒予防で細菌を増やさないポイントです。ノロウイルスは、細菌ではなくウイルスである為、細菌が増殖する3つの条件が揃っても増殖することができません。ノロウイルスが増殖できる環境は、私たちの腸内だけです。その為、ウイルスの増殖を予防する方法として、温度管理の徹底をしなくても問題はありませんが細菌が増殖しますのでノロウイルスの食中毒の予防だけではなく、細菌による食中毒を予防するため温度管理を徹底しましょう。細菌の種類によっては、増殖する際に毒素を産生したり芽胞を形成したり、加熱しても消毒できないものがあります。食品を十分に加熱した後、保管する場合には速やかに冷却し冷蔵庫に保存させることが予防のポイントです。また、沸騰させず中途半端な温度で加熱したり、加熱後そのまま常温に放置して時間をかけた冷却は細菌を増殖させる原因になりますので絶対に止めましょう。

食中毒予防 原則3「ころす」

食中毒予防の3原則 その3「ころす」

細菌やウイルスは、非常に小さく目で見る事ができません。また、食品に付着し、増殖しても味や臭いが変わらないことが多いです。その為、細菌やウイルスに汚染されている食品を気づかないまま食べてしまい食中毒を予防することはできません。味覚、臭覚、視覚などの五感で食中毒を予防することは非常に難しいです。下痢や嘔吐を引き起こす細菌やウイルスは、熱に弱い傾向がありますその為、食品を十分に加熱して提供する料理は、提供前に十分に加熱する事で食中毒を予防することが期待できます。下痢や嘔吐を引き起こす細菌やウイルスは、食材のものが汚染されている場合もあり、また、調理加工中に汚染が拡大し清潔な食品に細菌やウイルスが付着することもあります。その為、提供前に十分に加熱することで細菌やウイルスを死滅させ安全な食事を提供することができます。厚生労働省では、給食施設など大量調理施設向けに食中毒予防のガイドライン「大量調理施設マニュアル」で食品の中心温度を85度から90度で90秒以上の加熱を推奨しています。この推奨温度で加熱すると大部分の細菌やウイルスは加熱により死滅させる食中毒を予防することが期待できます。しかし、加熱により全ての細菌やウイルスが死滅する訳ではなく加熱さえすれば大丈夫ということではありませんので注意してください。

細菌やウイルス名 食中毒予防に有効な温度
腸管出血性大腸菌(病原性大腸菌O157) 75~80℃で90秒以上に加熱
病原性大腸菌(腸管出血性大腸菌以外) 75~80℃で90秒以上に加熱
サルモネラ菌 62℃30分で死滅
カンピロバクター 60℃30分で死滅
黄色ブドウ球菌 80℃30分で死滅
腸炎ビブリオ 60℃10分で死滅

厚生労働省が推奨する6つの食中毒予防のポイントを説明

厚生労働省では、従来の3原則をより分り易く説明する為、6つの予防を作成しました。過去に発生した事例から発生リスクが高い6つの具体的な予防例を紹介しています。基本は、予防の3原則と同じですが一般の人でもわかりやすく説明していますので参考にしてください。

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