黄色ブドウ球菌食中毒

黄色ブドウ球菌食中毒の概要

黄色ブドウ球菌は、顕微鏡で見ると、ぶどうの房のように集まっていることから名前が付けられました。スタフィロコッカス属菌の総称で、ヒトの皮膚や鼻腔、腸管、外尿道、そのほかの粘膜面など黄色ブドウ球菌は幅広く常在しています。また、身近なところでは、おでき、にきびや、水虫等に存在する化膿性疾患の代表的起因菌です。そのため、健康な人でものどや鼻の中などで高率で黄色ブドウ球菌は、検出され、動物の皮膚、腸管、ホコリの中など身近にも存在しています。黄色ブドウ球菌は、増殖するときにエンテロトキシンという毒素をつくり、この毒素を食品と一緒に食べることにより、人に危害をおよぼします。黄色ブドウ球菌そのものは熱に弱いが、菌が産生した毒素は100℃30分の加熱でも分解されません。近年このCNSによる感染症が増加しており、留置血管内カテーテルからの感染で心内膜炎や菌血症を起こすことが問題になっています。他の食中毒菌について詳しい情報を見ることができます。詳しくは、「食中毒の種類と特徴」を参照してください。

黄色ブドウ球菌食中毒の特徴

ヒトや動物の皮膚、消化管常在菌です。手や指先にできた化膿した場所に増殖しやすく、調理従事者が手や指先に傷がある時に注意する必要があります。黄色ブドウ球菌は、肺炎、髄膜炎、敗血症等致死的となるような感染症の起因菌でもあります。黄色ブドウ球菌は、通性嫌気性のグラム陽性球菌であり、顕微鏡で観察すると、ブドウの房のように複数の細菌が集団を形成しているのが特徴です。他の細菌と比較して高濃度 (10%) の食塩存在下でも増殖が可能であり、またカタラーゼ活性、ブドウ糖発酵性を持つなどの生化学的特徴を利用して分離・同定されます。黄色ブドウ球菌特定は、コアグラーゼと呼ばれるウサギ血漿を凝集させる酵素を産生するかどうかで決まり、ヒトの体表に生息してコアグラーゼを産生するものが黄色ブドウ球菌です。また典型的な一部の黄色ブドウ球菌は黄色の色素を産生するため、培地上で培養したとき黄色いコロニーを形成することから黄色ブドウ球菌の名前がつきました。以前は、黄色くなることで判断されていましたが、現在は色素産生の有無ではなくコアグラーゼ産生能で判別されています。

黄色ブドウ球菌の電子顕微鏡写真

黄色ブドウ球菌食中毒の発生時期

年間を通じて黄色ブドウ球菌食中毒は発生しますが、特に夏に多発する傾向があります。高温多湿の気候が黄色ブドウ球菌の繁殖に適しているためと考えられます。特に手指に切り傷がある調理従事者は、食品に触れる際には十分に注意が必要です。加熱は中心までシッカリ加熱して、加熱後すぐ冷却する事で黄色ブドウ球菌の増殖は抑えられますが、加熱が不十分であったり、加熱後そのまま常温放置する事で食中毒になる可能性は高まります。また、冬の寒い時期にも、暖房などで気温が高く保たれている場合など、条件が揃えば黄色ブドウ球菌の増殖が促され食中毒のリスクが高まります。

黄色ブドウ球菌による食中毒の症状は、下痢・嘔吐・腹痛

黄色ブドウ球菌が食品中で増殖するときに産生する外毒素の一つである腸管毒素(エンテロトキシン)によって起こる毒素型食中毒です。黄色ブドウ球菌は熱に弱い菌ですが、菌が産生する毒素は100℃30分の加熱でも分解されないため、食品を10℃以下で保存するなどで温度管理の徹底が食中毒の重要なポイントになります。食中毒の原因食品は「おにぎり」が多く、他に折詰弁当や仕出し弁当、和菓子、シュークリームなどが代表的なものです。潜伏期間は短く1~6時間です。

食中毒の症状は、嘔吐や腹痛、下痢が起こりますが高い熱はあまりでません。また、予後も軽く、1~2日で快方に向かいます。黄色ブドウ球菌は、一般的に化膿症の原因菌ですが、コアグラーゼや腸管毒素の他にも多くの代謝産物である外毒素を産生することで、種々の疾患を起こします。毒素性ショック症候群毒素(TSST-1)はその名の通り毒素性ショック症候群を引き起こし、エクソフォリアチンは表皮剥脱を起こす外毒素で皮膚剥脱症候群を引き起こします。他に溶血毒素や白血球毒(ロイコシジン)、繊維素溶解素などの代謝産物があります。他の食中毒の可能性もある場合は、症状から食中毒を調べることができます。詳しくは、「食中毒の症状と種類」を参照してください。

MRSAによる感染症

MRSAによる感染症は、院内感染などのニュースで聞くことがあるかもしれませんが、MRSAも黄色ブドウ球菌の仲間です。メチシリンとは細菌感染の治療薬として抗生物質が用いられますが、細菌達も生き残るのに必死で1980年代より院内感染の主要な原因菌として話題に上るメチシリンという抗生物質が無効な物質を作り出す菌が登場しました。MRSAは健常保菌者より感染し、免疫力が弱い人は敗血症などの重篤な症状を引き起こします。現在では、MRSAに有効とされていたバンコマイシンという抗生物質も効かないVRSAが出現してきています。

黄色ブドウ球菌の検査方法

食中毒の原因を特定させる為、原因食品、糞便、吐物、拭き取り等の検査材料から黄色ブドウ球菌を検出する作業を行います。そして、黄色ブドウ球菌が産生するエンテロトキシン産生性を調べ、コアグラーゼ型別を実施する必要があります。黄色ブドウ球菌食中毒と判定するためには、分離された菌株が健康保菌者由来でないことを慎重に判断することが重要です。また、黄色ブドウ球菌は毒素型食中毒菌であり、原因食品から直接エンテロトキシンを検出できる場合もあります。原因食品からエンテロトキシを検出することが可能であれば、短時間に黄色ブドウ球菌食中毒を決定することができます。

黄色ブドウ球菌食中毒の治療方法

黄色ブドウ球菌の食中毒患者に処置する治療法はなく、一般的な補液と対症療法を行い経過をみます。黄色ブドウ球菌が産生した毒素に汚染した食品を早く排出させるために下痢止めは使用しません。食中毒による予後は良好で、1日か2日で回復します。軽度な症状の場合は、自宅で安静することで回復します。詳しくは、「食中毒を病院に行かずに治したい」で確認してください。

処方薬

特に処方しません。

黄色ブドウ球菌食中毒の原因

黄色ブドウ球菌による食中毒は、おにぎりや弁当、サンドイッチやケーキなど、さまざまな食品が原因となります。黄色ブドウ球菌食中毒のほとんどの場合、調理する人の手から汚染します。特に、調理する人の手や指に傷や湿疹があったり、傷口が化膿しているような場合は、食品を汚染する事で黄色ブドウ球菌による食中毒を発生させる確率がさらに高くなります。詳しくは、食中毒の原因と種類(一覧)で確認してください。

黄色ブドウ球菌食中毒の予防

黄色ブドウ球菌自体は熱に弱く、通常の加熱処理で死滅しますが、黄色ブドウ球菌が産生する毒素は熱や乾燥に強く、いったん食品中で黄色ブドウ球菌が毒素を産生しまうと、その後、食品を加熱しても毒素は不活化されず、黄色ブドウ球菌食中毒の原因になります。黄色ブドウ球菌の予防としては、食品を扱う時は手指をよく消毒し、手指に化膿性疾患があれば食品を取り扱わないことが大切です。指先に切り傷などある方は手袋の使用は効果があります。黄色ブドウ球菌の汚染を受ければ、あらゆる食品が食中毒の原因になる可能性をもっています。食品を10℃以下に保つことで、黄色ブドウ球菌の増殖を抑えることも重要です。一般的な食中毒の予防方法について説明しています。詳しくは、「食中毒の予防」で確認してください。

  • 手や指に傷がある人や手の荒れている人は、調理にたずさわらない。
  • 食品製造にかかわる人は、十分に手や指を消毒してから調理する。
  • 消毒した後は、衣服や他の場所を触らない
  • マスク、帽子、薄いゴム手袋などを着用して調理する。
  • まな板、包丁、ふきんなどはよく洗い、熱湯や漂白剤で殺菌する。
  • 調理後はできるだけ早めに食べる。 
  • 食品を室温で長時間放置しない。

黄色ブドウ球菌 食中毒の症状 治療 予防

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