食中毒の原因と発生時期

食中毒の発生原因は、細菌やウイルスによる感染

食中毒の発生状況が原因種類別にわかる資料として、厚生労働省が毎年発表する食中毒統計があります。平成27年度、日本国内で発生した食中毒の発生件数は約1200件、患者数は約2万2000名(うち死亡者数は6名)でした。原因物質別で見ると最も多く発生したのはノロウイルス(485件)であり、次いでカンピロバクター(318件)、アニサキス(127件)となっています。また、患者数別では、多く発生した原因物質は、ノロウイルス(14876名)、カンピロバクター(2089名)、サルモネラ菌(1918名)となっている。発生件数、患者数どちらで見てもノロウイルスが原因となる食中毒が非常に多く発生している事がわかります。

以前の食中毒は、下痢や嘔吐を引き起こす細菌の増殖が原因で発生しており、特に夏場を注意しなければいけないと言われていました。しかし、近年の発生状況をみると発生件数および患者数ともにノロウイルスがトップであり、寒くなる冬場に大流行する傾向があり冬場でも食中毒対策は必要です。平成27年度中に発生した食中毒の主な原因物質である、ノロウイルス、カンピロバクター、アニサキスの発生件数は、同年発生した総件数1200件に対して約77%占めており上記の原因物質を予防すれば大幅に発生件数は減ると思われます。尚、平成27年度中に食中毒でお亡くなりになられた方は、毒キノコ毒草を誤って食べた方が2名、有毒成分を含む魚介類や動物を食べた方2名、原因が特定できなかった方が2名でした。いづれも有毒成分を含む動植物を摂取した事が原因だと思われます。

上記説明の通り食中毒の原因物質の中でも注意しなければいけないのはノロウイルスです。平成27年に発生した原因物質別の食中毒のうち約40%がノロウイルスが原因で発生しています。今後もノロウイルスが原因の食中毒は、増加する事が予想され特に注意が必要です。ノロウイルスは、非常に感染力が強く、非常に少量でも体内に侵入すると爆発的に体内で増殖し下痢や嘔吐の症状が現れます。その為、ノロウイルス食中毒1件当たりの発生数、患者数は非常に多いのが特徴です。ノロウイルスは、食中毒の一般的な原因物質である細菌類とは異なり、ウイルスの感染で起こります。その為、細菌性食中毒が増える夏場ではなく、寒く乾燥する冬場に発生します。以前は、ノロウイルスによる食中毒は夏場に発生しないと言われていましたが、近年、夏場でもノロウイルス食中毒は確認されています。ノロウイルスによる食中毒の発生の多くは、ヒトの手指から食品などを汚染して感染が拡大する接触感染(二次感染)が原因だと言われています。以前は、牡蠣やアサリなど2枚貝を生食もしくは加熱不十分で食べる事が原因と言われていましたが、近年発生したノロウイルス食中毒を調べると2枚貝以外の食材が原因で発生して事がわかっています。また、ノロウイルス食中毒があった施設を調査すると調理師など調理従事者がノロウイルスを保有しており、二次感染が原因だと感がれられています。ノロウイルス食中毒の予防は、食品を十分に加熱と手洗いの予防が最も大切だと言えます。

ノロウイルスに次いで多く発生するのがカンピロバクターによる食中毒です。カンピロバクターは、主に鶏肉を生食や加熱不十分が原因で発生する食中毒です。以前からカンピロバクターは、食中毒の原因物質として認識されていましたが、食中毒の発生件数も少なく特に注目されませんでした。最近、焼き鳥店などでカンピロバクター食中毒が多く発生しており、鶏肉を扱う飲食店では特に注意する必要があります。カンピロバクターは、鶏肉に付着(汚染)されやすいですが、十分に加熱する事で死滅する食中毒菌です。九州地方の郷土料理に「とりわさ」「鳥のタタキ」などがあり、新鮮な鶏肉を生食する文化があります。この様な九州の郷土料理は首都圏でも流行し提供する飲食店も増えていますが、新鮮で無い鶏肉を使用したり、調理知識が不足した者が提供した事が原因でカンピロバクター食中毒が増加していると考えられます。また、以前に比べ食中毒の原因菌であるカンピロバクターの汚染も拡大している報告もあります。イギリスの調査機関の結果によると一般的に流通している鶏肉の約40%から50%がカンピロバクターに汚染されており、鶏肉を調理する際には、肉汁などが付着しない様に生食する食材に近づけない、調理する際にはシッカリ加熱する事を推奨しています。飲食店や家庭でも鶏肉を調理する際には、肉汁が生食する野菜などに付着しない様に注意が必要です。

発生件数は多くないが、近年増加傾向にあるの食中毒菌がウエルシュ菌です。あまり聞かれない食中毒菌ですが、特に大量調理をする給食センターなどで発生しています。ウエルシュ菌は、土壌など私たちの身近に分布している為、食材にも付着している細菌でもあります。その為、十分に洗浄や加熱をしない事でウエルッシュ菌は増殖して食中毒の原因となります。ウエルッシュ菌の特徴の1つに嫌気性菌(酸素を嫌う細菌)があります。その為、ウエルッシュ菌による食中毒の多くは、大きな鍋で煮込む料理を十分に加熱せず常温放置する事が原因です。特にウエルッシュ菌が増殖に適した温度40度から50度を避け短時間に冷却させる事が予防となります。ウエルッシュ菌は、増殖した際に芽胞を形成し、この芽胞は耐熱性があり再加熱しても不活化しない性質があります。その為、調理する際には中心部までしっかり加熱し、加熱あとは迅速な冷却が食中毒予防のポイントになります。ウエルシュ菌が増殖すると味が変わる特徴もあります。食事を提供する前には、必ず味見をして提供する事で食中毒の発生を抑制できるかと思われます。

食中毒が原因の発生事件数、患者数は減少傾向にある

この10年間で食中毒を原因とした件数と患者数は徐々に減少してきている。これは食品製造工場での衛生管理の徹底や、家庭での手洗いの励行などの衛生意識の高まったことで、特に細菌が原因の食中毒が減少したと思われます。厚生労働省の統計資料によると、平成24年に発生した細菌性食中毒は、発生件数の38%、患者数の22%と減少傾向です。しかし、あくまでも保健所に届け出された数であり実際には、もっと多く発生していると思われます。細菌性食中毒の原因物質別の発生状況を見るとサルモネラ、腸炎ビブリオ、大腸菌などの件数が年々減少している一方、カンピロバクターによる発生は大きな減少はみられません。細菌の活動が活発になる5月頃から10月頃までの間は食中毒の発生件数が増えるので注意が必要です。

食中毒の原因物質(総数)の発生推移

日本国内で発生しているコレラ赤痢腸チフスの原因は、東南アジアなどの地域から旅行者が持ち込むケースが増えています。ここ数年、保育園、ホテル、施設でも発生した報告があります。海外旅行では、病原体に汚染された食品、生水、氷などを飲食する事が原因で激しい下痢を起こす「旅行者下痢症」になる場合がしばしばあります。「旅行者下痢症」の原因となる病原体には、コレラ菌、赤痢菌、チフス菌、病原性大腸菌サルモネラなどの細菌以外に、ノロウイルスなどのウイルス、ランブル鞭毛虫、赤痢アメーバ、クリプトスポリジウムなどの寄生虫が原因の場合があります。

食中毒の原因物質別発生状況(月別)

食中毒の発生は、1年中同じではなく季節により異なります。下表は、食中毒を月別に発生数、原因物質別ごとに集計した表です。季節により発生する原因物質の種類が異なる事がわかります。また、稀に企業の不祥事が原因により食中毒事件が発生する事もあります。以前は、食中毒の発生は、夏場と言われていましたが、最近では冬場も発生しており注意が必要です。冬場に発生する代表的な原因物質は、ノロウイルスであり、秋(10月)から春にかけて爆発的に発生します。ノロウイルスによる食中毒1件当たりの患者数を多く注意が必要です。保育園、学校、高齢者施設など大量調理をする際に調理従事者が病原体を保有し二次汚染が原因で食中毒が起きるケースが多いです。 また、最近では冬場でも暖房設備の普及により、真冬でも細菌を原因とする食中毒が起きていますので油断は禁物です。

食中毒の原因物質別の月別発生推移

平成26年度の食中毒発生件数と患者数の推移

原因物質の中でも細菌が原因の食中毒は減少傾向ですが、カンピロバクターの発生件数はそれと逆行するように増加しており、食中毒の原因物質の中でも発生件数ではトップクラスです。 ノロウイルスは、食品を汚染して感染するだけではなく、食品から人へ伝播する感染症として強い感染力を持つため、患者数が多くなりやすく近年増加傾向にあります。

原因物質別の発生件数の推移(平成26年度)原因物質別の患者数の推移(平成26年度)

原因物質で最も多いのはノロウイルス

原因物質別の症状や対処方法

下痢や嘔吐を起こす原因物質

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