食中毒の概況
新潟県によると新潟県上越市国府4にある「中華そば 立川」でウエルッシュ菌による食中毒が発生したとして、平成27年11月5日付で3日間の営業処分にしました。ウエルッシュ菌食中毒の原因となった平成27年11月1日に食事した191名のうち11人(男性9人、10~30歳代 女性2人、20歳代)が下痢や嘔吐の症状があらわれました。ウエルッシュ菌食中毒の症状があった患者のうち2名が病院で治療を受けましたが入院患者はいない模様です。
経緯
平成27年11月2日に新潟県上越保健所管内の医療機関から「下痢、腹痛といった食中毒のような症状の患者1人を診察した。患者は前日に、6人で飲食店を利用しており、他の5人も同様の症状を示している」と連絡がありました。連絡を受けた新潟県上越保健所は、症状があった患者さんに聞き取り調査をした結果、11月1日に新潟県上越市国府4にある「中華そば立川」で共通して食事をして、同日の午後7時頃から下痢、腹痛の症状を起こしていたことが判明しました。また、下痢や腹痛の症状があった患者のうち8名に検便を実施したところ5名からウェルシュ菌が検出された。新潟県上越保健所は、「中華そば立川」へ立ち入り調査を実施したところ、調理従事者1人の便と、店にあったチャーシューからもウェルシュ菌が検出されウエルッシュ菌食中毒と断定しました。ウエルッシュ菌食中毒の原因食材となったチャーシューは、煮豚を提供する前日から一晩にわたって常温のたれにつけ込み、翌日に未加熱の状態で提供していたという店の従業員は話しています。新潟県ではこの調理過程で、チャーシューにウェルシュ菌が発生したと思われます。
ノロウイルス食中毒の原因物質
ウエルッシュ菌 「中華そば 立川」が11月1日に提供した食事(チャーシュー入りラーメン)ノロウイルス食中毒が発生した原因施設
店舗名称 中華そば 立川
営業者 株式会社 保田(やすだ)コーポレーション
代表取締役 立川 久二(たちかわ きゅうじ)
所在地 上越市国府(こくふ)4丁目8番1号
業種 飲食店営業(一般食堂)
ノロウイルス食中毒による営業処分内容
平成27年11月5日から7日までの3日間
・調理施設の清掃消毒、調理器具・設備の洗浄消毒を指示
・調理従事者に対して衛生教育を実施予定
お詫び内容(ホームページ抜粋)
HP等での発表はありません。
管理人による食中毒の所見
ウエルッシュ菌食中毒は、集団給食など大量調理でしばしば発生することから「給食病」ともいわれています。ウエルッシュ菌は、土壌などに普通にいる細菌です。その為、ウエルッシュ菌が食品などに付着し調理する過程で加熱不十分により死滅しないことで食中毒が発生します。また、ウエルッシュ菌の増殖は、酸素を嫌う嫌気性細菌のため、空気に触れず熱が下がりづらい場所を好みます。例えば、大量にカレーなどを作った際の鍋の中心部分が当てはまります。ですので大量調理で起こりやすく、ウエルッシュ菌は「給食病」と言われる理由です。ウエルッシュ菌の予防は、空気に触れる様に撹拌しながら十分に加熱し、冷却は短時間で急冷することでポイントです。ウエルッシュ菌が産生する芽胞は、耐熱性があり加熱による消毒できません。その為、しっかり加熱と急速な冷却が重要です。
今回の「中華そば立川」におけるウエルッシュ菌食中毒では、調理従事者の便からもウエルッシュ菌が検出され病原体保有者でした。トイレの後の手洗いが不十分などにより手や指に付着したウエルッシュ菌が煮豚に付着し、常温の醤油に漬け込んだ際にウエルッシュ菌が増殖したと思われます。この時期の食中毒の特徴に暑いと腐敗するから冷蔵庫で保存しますが、涼しくなったから常温放置でも大丈夫だと思い温度管理が不十分により食中毒がおきる事が多いです。日頃の衛生意識が低かったのが原因かと思われます。
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