食中毒の種類と分類

食中毒の症状と種類

食中毒の種類と症状について管理栄養士がわかりやすく説明します。今までに食事をした後にお腹が痛くなったり、急な腹痛下痢嘔吐などを経験された方も少なくないでしょう。下痢や嘔吐があるとすぐ食中毒と訴える人もいますが、食中毒食品衛生法で明確に定義がされています。食中毒とは、「食品、添加物、器具若しくは容器包装に起因して中毒した患者若しくはその疑いのある者」と定義されており、診断した医師は直ちに最寄りの保健所長に届け出なければいけません。簡単に説明すると、食品や飲料水が有害な細菌、ウイルス、化学物質、寄生虫などに汚染された食品を誤って摂取する事で起きる下痢や嘔吐などの胃腸炎症状の総称です。その為、飲食物を摂取せず、下痢や嘔吐などになった場合には、感染性胃腸炎として扱われ食中毒と言いません。

食中毒の種類を特定する為には、下痢、嘔吐、発熱などの有無を確かめます。そして、自分と同じ症状がある人がいないか確認も調べます。もし、同じ症状の人がいるならば、一緒に食べた食事の内容が食中毒の原因として先ず疑います。食中毒の症状は、下痢、嘔吐、腹痛、発熱など種類によって異なるため絞り込むことができます。また、食中毒の原因が疑われる食事の内容や食事をしてから症状が現れた時間(潜伏期間)を把握することで種類をさらに絞り込むことができます。ノロウイルスなど二次汚染が原因で起きる食中毒も増えていますので食材で特定する事ができない場合もあります。症状から食中毒を絞り込むには、下のマトリックスを使用すると簡単です。

食中毒の種類

食中毒

食中毒の原因となる種類は、微生物(細菌・ウイルス・真菌)、自然毒、化学物質、原虫、寄生虫の5つがあります。さらに細菌は、食品や飲料と一緒に取り込まれ腸内で増殖することにより起こす感染型と、増殖しながら毒素を産生する毒素型に分類することができます。特に腸管出血性大腸菌O157ボツリヌス菌は非常に強い毒素のため、抵抗力が弱い乳幼児や高齢者が感染すると注意が必要です。国内で発生する主な食中毒の種類は、細菌とウイルスの2つが大部分を占めています。特にカンピロバクターサルモネラノロウイルスが全体の発生件数のうち過半数を占めています。また、秋には自然毒での毒キノコ、春は山菜などの自然毒食中毒も多く発生します。以前は、人から人へ感染しないと言われていましたが、腸管出血性大腸菌O157ノロウイルスは、接触感染などによる二次感染が問題となっています。

食中毒の分類

大分類 小分類 具体的な病因物質
微生物 細菌 感染型 サルモネラ属菌エルシニア・エンテロコリチカナグビブリオカンピロバクター・ジェジュニ/コリ赤痢菌チフス菌腸炎ビブリオパラチフスA菌,リステリア菌,エロモナス,プレジオモナス など
生体内毒素型 腸管出血性大腸菌コレラ菌ウエルシュ菌セレウス菌(下痢型) など
毒素型(食品内毒素型) 黄色ブドウ球菌ボツリヌス菌セレウス菌(嘔吐型) など
ウイルス ノロウイルス,肝炎ウイルス(A型,E型),ロタウイルス,サポウイルス など
真菌 カビ毒(アフラトキシン,オクラトキシンA など) など
化学物質 重金属(スズ,カドミウム,ヒ素化合物,鉛 など),農薬,洗剤,ヒスタミン など
自然毒 植物性自然毒 有毒植物(あじさいの葉,スイセン,馬鈴薯の芽や緑色を帯びた皮 など),毒キノコ など
動物性自然毒 ふぐ毒(テトロドトキシン),貝毒(テトラミン),魚毒(シガテラ) など
原虫 クリプトスポリジウム,サイクロスポラ,赤痢アメーバ,トキソプラズマ など
寄生虫 アニサキス,旋尾線虫,横川吸虫 など

食中毒の症状

食中毒の症状

日本国内で発生する食中毒の多くは、細菌やウイルス(ウイルスの大部分はノロウイルスによるもの)です。食中毒の多くは、食品を汚染しても味、臭い、色は変化しません。その為、食中毒の原因となる菌やウイルスに汚染された食品と気づかず、食品と一緒に取り込み、体内で細菌やウイルスが増殖し、胃腸の機能が低下する事で下痢や嘔吐などが現れます。そして、食中毒の原因菌やウイルスに感染してから発症するまでの時間(潜伏期間)も異なります。一部の食中毒は、感染すると増殖しながら毒素を産生し、腸の粘膜細胞を死滅させたり、毒素が血管に入り体内の様々な臓器を機能不全にさせたりします。毒素を産生する食中毒菌の中でも特に注意しなければいけないのは、腸管出血性大腸菌O157ボツリヌス菌があり、抵抗力が弱い子供や高齢者が感染した場合には重症化する事が多く注意が必要です。

食中毒の症状は4種類

食中毒による主な症状は、下痢、腹痛、嘔吐(吐き気)、発熱があり、食中毒の種類に現れる症状は異なります。また、潜伏期間も異なり、長いものは数週間から1ヶ月程度してから症状が現れる種類もあります。その為、下痢や嘔吐などの症状や潜伏期間が異なる性質を活用して、病院に行かなくても食中毒の可能性があるか調べることができます。この方法は、ご自身や家族が下痢や嘔吐などがあらわれたときに応急処置をするのに非常に役に立ちます。しかし、食中毒の推測が不安だったり、症状が重たい場合には、医師の診察を受けるようにしましょう。

症状や潜伏期間から食中毒の種類を推測

細菌やウイルス 原因物質 食中毒の主な症状 時間 特徴
潜伏期 血便 膿・粘液便 水様便 腹痛 発熱 嘔吐 嘔気
サルモネラ 鶏卵、肉類 1~5日   下痢潜伏期間6~48時間と幅がある。先ず悪寒や嘔吐があり、徐々に腹痛の症状が現れる。
腸炎ビブリオ 生食魚介類 12~24時間       一般に潜伏期間が短く重篤な症状を示す傾向がある。病院にかなくても2~3日で快復に向かうことが多い。
ブドウ球菌 調理者を介在 1~数日       潜伏期間は短く、通常1~5時間(平均3時間)症状も重症化せず自然に回復することが多い。
O157(腸管出血性大腸菌) 加工食肉製品
水耕野菜
数日     O157などの腸管出血性大腸菌は潜伏期間が3~9日と長い。抵抗力の弱い子供や高齢者が感染すると重症化する事もあり注意が必要。
その他の病原性大腸菌 1~数日     他の病原大腸菌の場合は、5~72時間と短い。下痢などの症状がある。
カンピロバクター 肉類 1~10日
(平均3~5日)
    他の細菌性食中毒と異なり潜伏時間は2~7日と長い。症状があっても自宅で安静にしていれば1週間程度で完治。死亡例は希。
ボツリヌス 肉類の缶詰、瓶詰め、真空パック、蜂蜜 18時間前後
(数時間~3日)
          潜伏期間は、通常18~36時間と短い。ボツリヌス毒が産生する毒素量により2~3時間から2週間におよぶものもある。悪化すると発声困難、嚥下困難、起立不能などの神経障害などの症状が起こり、呼吸困難により死亡。致命率が非常に高い。
ウェルシェ 大量調理で食前不加熱 8~22時間         潜伏期間は6~18時間である。症状は一般的に軽く、1~2日で快復。
セレウス 嘔吐型 米などの穀類や香辛料 1~6時間           下痢型は8~16時間、嘔吐型は非常に短く1~数時間で症状が現れる1~2日で全快し、予後も良い。
下痢型               
エルニシア属菌             エンテロコリチカ菌の症状は血清型で異なり、O8型は敗血症、O3型は下痢を主な症状とする。仮性結核菌感染症の場合は、腸管膜リンパ節炎と急性敗血症に分かれる。
赤痢 飲料水、食物 1~5日     しぶり腹の症状がある
コレラ 飲料水、食物など 1~3日           米のとぎ汁の様な下痢の症状がる。発熱はない。感染が疑われる時は早めに病院へ行き治療する必要がある。
ノロウイルス 飲料水、食物 1~3日         下痢、吐き気、腹痛、発熱(38度以下)などの症状がある。通常3日以内で回復。
激しいまたは高い   症状あり

食中毒の治療方法

食中毒を疑う症状があった時、下痢や嘔吐の症状を市販薬を服用して、出来るだけ病院には行かず治したいと思います。しかし、食中毒の種類によっては、薬を服用する事で逆効果(症状を悪化させる)の場合もあり注意が必要です。下痢や嘔吐の症状は、私たちヒトにとって有害な細菌、ウイルス、化学物質を摂取した事で体外に排出しようとする反射作用です。つまり、要らないから嘔吐や下痢をして早く体外に出したいですが、下痢止め薬や吐き気止めを服用する事で原因物質の排出が遅れます。特に毒素を産生する食中毒菌は、薬を服用する事で体内で長時間留まる事で症状がさらに重症化する可能性があります。下痢や嘔吐が長く続くと脱水も心配です。その際には、病院に行き医師に薬を処方してもらう事をお勧めします。詳しくは「応急処置方法」を参照ください。また、なかなか症状が改善しなかったり、逆に悪化した場合、さらの以下にまとめた症状がある場合には、躊躇せず医師の診察を受ける事をお勧めします。また、症状が長く続く場合も別な疾患や原因がある可能性がありますので病院に行く事をお勧めします。
 1. 激しい下痢や嘔吐などの症状がある場合
 2. 下痢などで血液が混じっている場合(血便)。
 3. 呼吸が不安定、意識が朦朧としている場合。

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