化学物質食中毒

化学物質による食中毒の原因

化学性食中毒とは食品原料に本来含まれていない有害化学物質を摂取することによって発生する食中毒です。細菌性食中毒に比べて発生率は少ないが、発生すると大規模な事件に至ることが多い。また、上記以外の食中毒として、食品添加物による食中毒、農薬による食中毒、食器や容器による食中毒などもある。日本における2001年から2010年までの10年間の化学性食中毒は128件で、そのうち97件がヒスタミンによる食中毒である。重金属やカビ毒による汚染、有害食品添加物の混入、変敗に伴う油脂酸化物の生成、ヒスタミン生成菌によるヒスタミンの蓄積などが原因となる。

ヒスタミン食中毒

ヒスタミン食中毒は、衛生状態も悪かった1950年初頭までは主要な食中毒の一つでした。現在では低温流通 が普及し大規模な事件は減少しましたが、小さな食中毒は依然発生しています。ヒスタミン食中毒は、ヒスタミンが高濃度に蓄積された食品、特に魚類及びその加工品を食べることにより発症する、アレルギー様の食中毒です。ヒスタミンは、食品中に含まれるヒスチジン(タンパク質を構成する20種類のアミノ酸の一種)にヒスタミン産生菌の酵素が作用し、ヒスタミンに変換されることにより生成します。そのため、ヒスチジンが多く含まれる食品を常温に放置する等の不適切な管理をすることで、食品中のヒスタミン産生菌が増殖し、ヒスタミンが生成されます。ヒスタミンは熱に安定であり、また調理加工工程で除去できないため、一度生成されると食中毒を防ぐことはできません。

金属による食中毒

ヒ素、アンチモン、、鉛、水銀、亜鉛、カドミウム、バリウムなどの有毒金属を含んだ規格外の不良品の使用で、食中毒がおこったこともあります。また、発がん物質を含んだ不良品もあります。 食品への混入、容器からの溶出、誤用、あるいは土壌からの流出により水を介しての摂取により食中毒を引き起こします。

食品添加物による食中毒

防腐剤、着色剤、甘味料などの食品添加物で、許可されていないものを使用した食品で食中毒がおこることがあります。防腐剤では、ホウ酸類、ホルムアルデヒド、着色料では、オーラミン(黄色)やローダミンB(赤色)など、人工甘味料では、ズルチン、パラニトロオルトトルイジンなどの不許可添加物の使用で食中毒がおこったことがあります。また、許可されている添加物でも、定められた以外の食品に使用されたり、使用量が多すぎたりすると、食中毒がおこります。  たとえば、漂白剤兼防腐剤として、給食のうどんに過酸化水素を過剰に使用したために、中学生がのどの痛みや吐き気をおこしたことがあります。

甘味料、調味料、人工着色料などとして食品に添加されたために問題が生じる。有害作用が確認されているものは添加が規制されている。 (有害保存料)ホウ酸、ホルムアルデヒド、サリチル酸、ソルビン酸ナトリウム、フッ素化合物、デヒドロ酢酸 (有害甘味料)ズルチン、エチレングリコール (有害着色料)オーラミン、ローダミン、バターイエロー (有害殺菌料)AF2 (有害漂白料)ロンガリット (有害調味料)粗製アミノ酸醤油

農薬による食中毒

農薬類(殺虫剤)が濃厚に付着した野菜や果物をよく洗わないで食べたり、殺虫用の薬液を誤って子どもが飲んだりしておこる食中毒が少なくありません。外観が食品に似ている殺虫剤や工業薬品を誤って料理に使っておこる中毒もあります。  そのほか、工業廃液のために魚介類や農作物に有毒化学物質が蓄積して中毒をおこした例(有機水銀中毒、カドミウム中毒)、食品の製造・加工中に有害物質が混入して中毒をおこした例(カネミ油症)などがあります。

農薬の残留、汚染、誤用により、食中毒を起こす場合がある。 DDT、メタミドホス

食器や容器による食中毒

合成樹脂の食器の場合、ホルムアルデヒドやフェノールが溶け出してくる不良品があります。 また、亜鉛びきの容器に酸性飲料を入れると中毒がおこります。 鉛の含有量の多いはんだづけの缶詰で中毒をおこしたり、粗悪な釉薬(ゆうやく)を使用している陶磁器の場合は、鉛が溶け出して中毒をおこすことがあります。

過去に発生した化学物質による食中毒

(水俣病)
水俣病は、化学工場から海や河川に排出されたメチル水銀化合物を、魚、エビ、カニ、貝などの魚介類が直接エラや消化管から吸収して、 あるいは食物連鎖を通じて体内に高濃度に蓄積し、これを日常的にたくさん食べた住民の間に発生した中毒性の神経疾患です。 熊本県水俣湾周辺を中心とする八代海沿岸で発生し、始めは原因の分からない神経疾患としてあつかわれていました。その後新潟県阿賀野川流域においても発生が確認されました。 水俣湾周辺の水俣病については、昭和31年(1956)5月、初めて患者の発生が報告され、その年の末には、52人の患者が確認されました。 この疾患は昭和32年(1957)以降「水俣病」と呼ばれるようになりました。 阿賀野川流域の水俣病については、昭和40年(1965)5月に患者発生が報告され、その年の7月には26人の患者とそのうち5名の死亡が確認されました。 水俣病患者の認定は、公害健康被害の補償等に関する法律に基づき関係各県の知事および国によって行われます。

(カネミ油症事件)
カネミ油症事件とは、1968年に福岡県北九州市小倉北区にあるカネミ倉庫株式会社で作られた食用油(こめ油・米糠油)の製造過程で、脱臭のために熱媒体として使用されていたPCBが、配管作業ミスで配管部から漏れて混入し、これが加熱されてダイオキシンに変化した。、ポリ塩化ビフェニル(PCB)などが混入した食用油を摂取した人々に障害等が人々に、顔面などへの色素沈着や塩素挫瘡(クロルアクネ)など肌の異常、頭痛、手足のしびれ、肝機能障害などを引き起こした。油を摂取した患者からは、皮膚に色素が沈着した状態の赤ちゃんが生まれた。胎盤を通してだけでなく、母乳を通じて新生児の皮膚が黒くなったケースもあった。この「黒い赤ちゃん」は社会に衝撃を与え、事件の象徴となった。当時はPCB(ポリ塩化ビフェニル)の無害化技術も確立されていない時代であり、カネミ油症の原因物質であるライスオイルは、不適切な処理をされた可能性がきわめて高い。カネミ倉庫の事業所が存在する北九州市及び大阪市(木津川運河)では、ダイオキシン類の一つであるコプラナーPCB (Co-PCB)が河川及び港湾の底質から基準を超えて検出されている。

(中華料理店症候群)
中華料理店症候群あるいはグルタミン酸ナトリウム症候群とは頭痛、顔面紅潮、発汗、顔面や唇の圧迫感などの症状から構成される症候群である。1960年代に中華料理を食べた少数のアメリカ人が食後に炎症を覚え、眠気、顔面の紅潮、掻痒感、頭痛、体の痺れそして軽度の背中の無感覚などの症状が見られた。これらの症状の大部分は悪化することはなく、しばらくすると消失するというものである。この症状は間もなく「中華料理店症候群」という呼び名がつけられた。一方「グルタミン酸ナトリウム症候群」という呼び名は、グルタミン酸ナトリウム(MSG)がアメリカの中華料理でよく使用されることに起源を持つ。MSGは広く使用される調味料で、あらゆる家庭料理や料理店での調理やレシピで広く利用されている。MSGが最初に工場で生産され、製品化されたのは1900年代の日本で、理学博士の池田菊苗が創業した味の素株式会社によるものであった。1950年代になるとアメリカ合衆国ではピルズバリー社、キャンベル社、オスカー・メイヤー社、リビー社、ゼネラルフーズ社など多数の食品メーカーが製品にMSGを利用し始め、アメリカでもMSG自体がスーパーマーケットで販売されるようになった。一方、MSGは調味料として一部の低ナトリウム製品を除いた食品工業製品や調理に使いつづけられているが、1970年以降には中華料理店症候群の報告はほとんど見られなくなった。MSGと中華料理店症候群とには関連がないという研究結果がある一方、一部の消費者は有害であると信じてMSGの摂取を避けている。少数のレストランではMSG無使用のコーナーを設けてその様な消費者を呼び込んでいる。グルタミン酸ナトリウム(MSG)が原因とされるが、一連の短期薬理試験の結果からはMSGとは関連は否定されている。症状のうち、稀であるが重篤なものとしては、喉の灼熱感、胸の痛み、動悸、息切れなどがこの症候群の特徴として挙げられている。大抵の場合は軽度の中華料理店症候群は後遺症は無く回復する。MSGを単一の原因とする説が広く流布しているが、医学的には食事後に発生するいろいろな原因の病的症状の総称と考えられる。中華料理店症候群の症状を抑えるには、MSGの多い食事の前に通常量のビタミンB6の投与が有効とされる。

(中国製冷凍ギョーザ事件)
2007年12月から08年1月にかけ、天洋食品の冷凍ギョーザを食べた千葉、兵庫両県の計10人が下痢などの中毒症状を訴えた。ギョーザから殺虫剤メタミドホスが検出され、10年4月、中国当局が天洋食品元臨時工員を危険物質投与の疑いで逮捕、同8月に起訴した。

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