腸管出血性大腸菌による食中毒

o157腸管出血性大腸菌食中毒の概要

大腸菌に分類される腸管出血性大腸菌に感染すると下痢、腹痛などの症状があります。o157も腸管出血性大腸菌に分類されます。ちなにみ腸管出血性大腸菌o157のO(オー)は、表面にある抗原(O抗原とH抗原)に基づいて分類されます。O抗原は外膜のリポ多糖由来のもの、H抗原はべん毛由来のものもあります。また、数字部分157は、種類(番号)の組み合わせで出来ています。O抗原の大腸菌は約180種類ほどあります。腸管出血性大腸菌o157は、抵抗力の弱い小児や高齢者が感染するとHUS(溶血性尿毒症症候群)を引き起こし重症化すると腎不全や尿毒症になり最悪死亡するケースもあり注意が必要です。日本でo157腸管出血性大腸菌食中毒が知られる様になったのは、1996年に岡山県邑久郡邑久町(現在の瀬戸内市邑久町)の学校給食で集団食中毒です。その後も富山の焼肉店で起きた腸管出血性大腸菌食中毒事件や静岡市の花火大会で提供した冷やしキュウリによる腸管出血性大腸菌事件などがあります。大腸菌自体は、私たちや動物の腸内にいる細菌で害はありませんが、o157など腸管出血性大腸菌は、非常に感染力が強く重症化するので注意が必要です。腸管出血性大腸菌o157の詳しくは、「食中毒の種類と特徴」を参照してください。

o157腸管出血性大腸菌食中毒とは私たちに身近な大腸菌

腸管出血性大腸菌であるo157に感染すると下痢、腹痛などの症状を引き起こします。腸管出血性大腸菌o157は、グラム陰性の桿菌で通性嫌気性菌で温血動物(鳥類、哺乳類)の腸内などにゴクゴク普通に生息しています。牛等の家畜の糞便からも腸管出血性大腸菌は、検出が確認されており牛肉が汚染される事が多いです。その為、腸管出血性大腸菌o157の汚染防止のため食肉市場など食肉加工施設では、汚染防止対策をしています。腸管出血性大腸菌o157に感染した牛などの家畜は、無症状であり感染の確認は血液検査などを行う必要があります。以前は、牛肉など畜肉がo157腸管出血性大腸菌の汚染源と言われていましたが、最近は野菜などが原因食材になることも多いです。ある研究機関の報告によるとレタスの葉に付着したo157腸管出血性大腸菌は、約2週間以上生存しており保存温度が8度以下ではほとんど増殖はしないが、保管温度が12度を超える状態で3日間放置すると細菌数が100倍に増殖するとのことです。腸管出血性大腸菌o157による食中毒予防の為には温度管理の徹底が非常に重要です。野菜が汚染されるケースとしては、肥料である家畜の糞便に含まれた腸管出血性大腸菌が野菜に付着した説や流通の段階で腸管出血性大腸菌に汚染した説などがあります。野菜は、清潔な食品で生食が可能であるという認識がある方が多いですが、最近では環境汚染なども拡大し野菜も決して安全な食品であるとは言い切れない時代になってきました。

(o157腸管出血性大腸菌の写真)

腸管出血性大腸菌 o157 腸管出血性大腸菌 o157(拡大写真)

o157腸管出血性大腸菌の潜伏期間はやや長め

腸管出血性大腸菌o157に感染してもスグ症状があらわれず、下痢などの症状があらわれるまで、ある程度の時間がかかります。これを潜伏期間といいますが、腸管出血性大腸菌o157の場合は、潜伏期間が2日から7日程度だと言われています。しかし、潜伏期間は、体調や体質さらに腸管出血性大腸菌o157に感染した量などにより異なりますので参考としてください。腸管出血性大腸菌o157食中毒の原因は、汚染した飲食物を摂取した事で腸内で腸管出血性大腸菌o157を増殖をしながらベロ毒素を産生します。このベロ毒素は、大腸の粘膜内に取り込まれリボソームを破壊し蛋白質の合成を阻害します。そして、腸内細胞は、タンパク欠乏状態になり死滅し細胞が破壊される為に出血の症状が現われます。腸管出血性大腸菌o157に感染してから2日から3日程度で血液が混じった激しい下痢の症状が現われます。特に体力が無い子供や高齢者は、重症化するケースがありますので血便を伴う下痢が確認された場合には、躊躇せず病院に行き医師の診察を受けることをおすすめします。

o157腸管出血性大腸菌の症状

腸管出血性大腸菌o157に感染すると下痢や腹痛などの症状が現われます。症状が現われても早い段階で他の食中毒と区別がつかない為に腸管出血性大腸菌o157に感染したと気づくことは難しいかもしれません。血便を伴う下痢の症状が現われた時には、まず腸管出血性大腸菌o157の感染を疑いまでしょう。他の食中毒菌でも下痢により肛門付近の粘膜が傷つき出血したものが血便に見えることもあります。出血が腸内から出ているか肛門付近が傷ついたものか注意深く見る様にしましょう。

腸管出血性大腸菌o157による血便は、腸管出血性大腸菌が産生するベロ毒素によるものです。ベロ毒素は、非常に毒性が強く腸内細胞の中に入ると細胞はタンパク質合成ができなくなり数日で死滅をします。その為、細胞が死滅し組織が崩壊することで出血の症状が現われます。さらにベロ毒素は、血管の中に入り全身にめぐることで血球や腎臓の尿細管細胞を破壊し、溶血性尿毒症症候群(急性腎不全・溶血性貧血)急性脳症なども起こることがあります。この様な症状を放置すると急性脳症などにより死因となることもあります。腸管出血性大腸菌o157も感染し下痢などの症状が現われから10日から2週間程度で症状が治まり回復する事が多いです。しかし、抵抗力が弱い高齢者や乳幼児などは、US溶血性尿毒症症候群や脳症などの重い合併症を起こすことがあり感染を疑う症状が現われた時には早めに病院に行き医師による診察を受ける様にしてください。ベロ毒素によるHUS溶血性尿毒症症候群を発症するリスクは、10歳未満が7.2%と非常に高く、毎年死者が出ています。腸管出血性大腸菌が疑われる場合は、早めに病院に行き医師による治療が早くから受ける事で症状を悪化も最小限に抑えることができます。しかし、多くの方が下痢や腹痛の症状があっても軽い食中毒や食あたりだと思い病院に行かず自宅で安静にしていることが多いです。また、家庭にある下痢止め薬などの常備薬を服用し安静にしている方が多いですが、家庭にある下痢止め薬を服用する事で下痢の症状が治まる為、ベロ毒素も体外に排泄されず体内に吸収され症状が重症化することになるため絶対にお止めください。詳しく原因を知りたい方は、「食中毒の症状と種類」を参照してください。

o157腸管出血性大腸菌の検査

腸管出血性大腸菌o157の検査は、病院で検査することができます。まず、血液が混じった下痢便などの症状がイツからあったか医師に説明します。また、最近、焼き肉や牛のタタキなど感染を疑う食品を食べたかも説明すると腸管出血性大腸菌を診断する為に参考になります。医師は、問診から疑われる病気を絞り込みます。それと同時に患者さんの便から腸管出血性大腸菌o157などの腸管出血性大腸菌の病原体が検出されるか検便を実施します。また、腸管出血性大腸菌o157が産生するベロ毒素が便に含まれているかを詳細に調べることで感染を確認することができます。腸管出血性大腸菌には、最も知られているo157以外にもO11、O26などがあります。

o157腸管出血性大腸菌の治療方法

医師の診断により腸管出血性大腸菌o157に感染している場合には、症状に合わせた対症療法を中心に行います。まず、下痢の症状を緩和するために整腸剤など服用し、激しい下痢の症状がある場合には、脱水症状にならないように輸液(点滴)を行います。脱水症状とは、体内の水分や電解質が失われた状態をいい、重度の脱水症状になると死亡することもあります。私たちの体の6割は、水分で構成されており、水分は体内のpHや体温の調整に非常に重要です。また、下痢と一緒に電解質も失います。電解質は、体内代謝を行う為に非常に重要な成分です。この電解質が欠乏することで体内代謝が円滑にできず体内の臓器が機能不全になります。その為、脱水症状を予防する事は非常に重要です。また、血液を含む激しい下痢の原因である腸管出血性大腸菌o157を殺す為に抗菌剤(抗生物質)を投与します。抗菌剤の投与は、医師が症状などを総合的に判断し服用する種類や量を決めます。腸管出血性大腸菌o157が体内で増殖しながらベロ毒素を産生することで腸内細胞を破壊するだけではなく、血球や腎臓の尿細管細胞を破壊し、溶血性尿毒症症候群(急性腎不全・溶血性貧血)を引き起こす事がありますので、入院させ症状が悪化しないか注意深く様子を見ます。もし、腸管出血性大腸菌が産生するベロ毒素による急性腎不全、溶血性貧血などの症状が現われたらこれらの治療も行います。腸管出血性大腸菌o157を発症して数日が経過すると徐々に食欲が出てきます。基本は食べたいものを食べさせるのが基本ですが、激しい下痢や腹痛を繰り返したことで腸の粘膜は荒れて消化吸収する能力も低下します。その為、最初は消化のいい食品を中心に摂取するようこころがけ、徐々に量をふやしましょう。胃腸に刺激になる食品(辛い、熱い、冷たい、硬い、油っぽい)はできだけ避ける様にしましょう。腸管出血性大腸菌に感染しても軽度な症状の場合は、自宅で安静することで回復します。詳しくは、「食中毒を病院に行かずに治したい」で確認してください。

o157腸管出血性大腸菌を治療する処方薬

腸管出血性大腸菌の治療は医師が症状など総合的に判断して使用する薬を決めます。腸管出血性大腸菌o157感染後、早い段階で抗菌剤を使用した方が溶血性尿毒症症候群(急性腎不全・溶血性貧血の発症リスクが軽減された調査結果もあります。有効な抗菌剤が腸管出血性大腸菌o157を死滅させることによってベロ毒素の産生量が減ったことが理由だと考えられます。小児のo157治療では、ホスホマイシン(FOM)、ノルフロキサシン(NFLX)、カナマイシン(KM)を使用し、大人の腸管出血性大腸菌o157治療では、ニューキノロン、ホスホマイシンを使用します。

腸管出血性大腸菌o157の感染源と原因

腸管出血性大腸菌o157食中毒の原因は、牛肉など汚染されている食品を生食もしくは加熱不十分で食べる事で感染するケースが多いと思われます。腸管出血性大腸菌o157は、熱に弱い菌で牛肉などの中心部を75度1分以上加熱する事で殺菌する事ができます。しかし、客が自ら焼く焼き肉では、加熱が不十分により腸管出血性大腸菌食中毒の原因と指摘されています。また、過去には、生レバーなど加熱をせず牛肉を生食することが認められていた為、厚生労働省は2011年に生肉の処理が厳格化させ、2012年には牛生レバーの提供が禁止されました。この様な取り組みにより年間200人前後だった腸管出血性大腸菌の発症者が2012年には55人まで減少しました。また、肉以外が原因による食中毒も発生しています。北海道で発生した漬物店の事件では腸管出血性大腸菌による死者が発生し、静岡市の花火大会で屋台が提供した冷やしきゅうりでは大勢の方が腸管出血性大腸菌に感染しました。野菜は生で食べれる安全な食材と思いがちですが様々な腸管出血性大腸菌など細菌に汚染されている可能性がある食材の1つです。

o157の予防方法

腸管出血性大腸菌o157食中毒の予防は、肉など食材の十分な加熱、食材の温度管理、肉や野菜などで使用するまな板を分ける、生野菜などはシッカリ洗浄することです。これは、食中毒予防の3原則「つけない」「増やさない」「殺す」の3点を守ることです。一般的な食中毒菌と同様に腸管出血性大腸菌o157も温度、湿度、栄養の3つの条件が揃うと増殖します。ですので、気温が上昇する初夏から秋にかけて注意する必要があります。しかし、腸管出血性大腸菌は熱に弱い性質がありますので、食材の中心温度75度1分以上しっかり加熱することで食中毒の発生リスクを軽減することができます。また、次亜塩素酸ナトリウム水溶液で腸管出血性大腸菌を殺菌効果も確認されています。加熱できない食材は、この方法が有効です。ただし、次亜塩素酸ナトリウムを使用して食材を消毒する場合には、濃度と浸漬時間を間違えないよう注意してください。 一般的な食中毒の予防方法について説明しています。詳しくは、「食中毒の予防」で確認してください。

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