溶血性レンサ球菌(溶連菌) 食中毒の概況
平成28年9月16日に大阪府が発表した情報によると、大阪府立消防学校で発生した集団体調不良について、溶血性レンサ球菌(溶連菌)による食中毒が原因と断定し発表した。9月16日から5日間、食堂を運営していた「関西給食」(大阪市生野区)を営業停止命令を出した。溶血性レンサ球菌(溶連菌)による重症化した人はおらず、ほぼ全員が回復したという。大阪府立消防学校の在校生142人と教員1人が8日~13日に発熱やのどの痛みなど溶血性レンサ球菌(溶連菌)による食中毒を疑う症状があり、17人から溶連菌が検出された。関西給食が提供した9日の朝食と調理者1人から溶血性レンサ球菌(溶連菌)が見つかったという。溶血性レンサ球菌(溶連菌)は飛沫(ひまつ)感染が一般的で集団食中毒は珍しいという。尚、大阪府立消防学校は12日から休講しており、保健所と相談し、再開時期を決める。
経緯
大阪市が発表した情報によると大阪府政策企画部危機管理室から四條畷保健所に「大阪府立消防学校の生徒78名が、9月9日(金曜日)の週末から頭痛、のどの痛み、発熱等の症状を訴え、欠席している。」との報告がありました。通報を受けた、四條畷保健所は9月12日(月曜日)から原因施設への調査を開始し、翌日(9月13日)より、患者等への聞き取り調査、検体の採取、施設の拭き取り、保存食の検査等を開始し、関係者238名を調査した結果、患者の発症状況が類似していること、患者検体17検体、調理従事者検体1検体及び保存食2検体から溶血性レンサ球菌(溶連菌)を検出したことから、四條畷保健所は当該施設で提供された食事を原因とする食中毒と断定し、9月16日(金曜日)、食品衛生法第6条第3号違反(食中毒の発生)により関西給食株式会社の施設を営業停止を命じました。(9月16日(金曜日)から9月20日(火曜日)まで5日間)
原因物質
溶血性レンサ球菌(溶連菌)その他の食中毒菌・ウイルスを確認する。
原因施設
店舗名称 大阪府立消防学校食堂(関西給食)
営業者 関西給食株式会社 代表取締役社長 林 俊
所在地 大阪市生野区中川西1丁目20番12号
業種 飲食店営業
営業処分内容
溶血性レンサ球菌(溶連菌)による食中毒を発生させた関西給食の施設を平成28年9月16日(金曜日)から9月20日(火曜日)まで5日間の営業停止※9月14日(水曜日)から営業を自粛し、施設の清掃及び消毒に努めています。
お詫び内容(ホームページ抜粋)
関西給職からHP等での発表はありません。
溶血性レンサ球菌(溶連菌)とは
レンサ球菌とは、レンサ球菌属に属するグラム陽性球菌である真正細菌の総称です。旧来は漢字表記の「連鎖球菌」が用いられていたが、2005年現在では仮名交じりの「レンサ球菌」の表記が、微生物学や医学の分野では優勢であるレンサ球菌は、直径 1µm程度のグラム陽性球菌で、個々の菌体が規則に直鎖状に並んだ配列をする、通性嫌気性または偏性嫌気性の有機栄養菌である。生化学的には、カタラーゼ陰性である(カタラーゼ酵素を持たないこと)から、他の代表的なグラム陽性球菌と鑑別される。レンサ球菌は、まずその溶血性によりα、β、γ溶血性の3群に分けられ、さらにβ溶血性レンサ球菌は、細胞壁多糖体抗原の免疫学的差異に基づくランスフィールドによる分類法により細かくグループ分けされている。
管理人による食中毒の所見
溶血性レンサ球菌(溶連菌)による食中毒は非常に珍しいです。溶血性レンサ球菌(溶連菌)とは、人の上気道や皮膚に化膿性の炎症を起こす細菌であり、様々な感染性疾患の原因となります。患者の咳やくしゃみにも溶血性レンサ球菌(溶連菌)が含まれるため、近くの人に感染(飛沫感染)することがあります。溶血性レンサ球菌(溶連菌)に感染すると5時間から72時間で発熱、咽頭痛、頭痛、倦怠感等の症状が起こります。過去に発生した溶血性レンサ球菌(溶連菌)による食中毒の原因食品には、出し巻き卵などの卵料理、弁当があります。溶連菌による食中毒を防ぐには、次の4点を守りましょう。
○手指に化膿した傷がある場合は、素手で食品を触らない。
○調理時にはマスクを着用する。
○食品の中心まで十分に加熱する。(75℃で1分以上)
○調理した食品は速やかに食べる。やむを得ず保存する場合は冷蔵で保存する。
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